<プログラムの内容紹介>
現地研修:丹波マンガン記念館見学
集合時間:午前10時50分
集合場所:JR京都駅八条口(新幹線側)、近鉄八条口近く 観光バス駐車場
開会礼拝 本田哲郎さん(ほんだ てつろう・カトリック司祭)
聖書研究 関田寛雄さん(せきた ひろお・日本キリスト教団神奈川教区巡回教師、
全国キリスト教学校人権教育研究協議会会長)
全体集会 「今、戦時下の歴史に学ぶ-教会・キリスト教学校-」
政治が右翼化し自衛隊の戦車が堂々と白昼を走るようになった今だからこそ、太平洋戦争時に教会・キリ スト教学校がど のように戦争に組み込まれ、また加担していったかを学びたいと、この全体会を企画しまし た。そして、私たちが誤った判 断や行 動をしないで、徹底して良心に忠実な行動をとるためには、何をす べきなのか、何をしてはいけないのかを見極め なければいけません。子どもたちを再び戦争の犠牲にしない ために、戦争に送らないために、参加者みんなで考えましょ う。
分科会
①今こそ平和教育を
戦後62年というより、戦前X年ではないかと思われる昨今です。か つて国が戦争体制へと動き出してい ったとき、キリ スト者は、それを押しとどめることはできませんでした。キリスト教界がどのように抗い、 また屈して いったのか、何ができ て、何ができなかったのかをもう一度検証することが、今求められている ように思います。それは、先人の非をあげつらうこ とではな く、前車の轍として、私たちが今、いかに生き るべきなのかを考えるための作業です。
今回、勤務校の負の歴史から学び、アジア諸国との関わりを含む人権・平和の問題について学生達と取り 組んでおられ る大学教員から、実践報告をお聞きし、共に考え、平和を作り出す力を得たいと思います。
②子どもと人権~「みんなちがってみんないい」-教育現場における特別支援教育を考える~
今 年4月より特別支援教育が本格的に始まりました。今までの特殊教育の対象者だけでなく、通常学級に在籍する学習 面・対人関係面・行動面での困難さをかかえ て支援を必要とする子ども達をも対象とした教育が始まりました。しかし、現 場では新たな教育課題が増えただけだという先生方がいるのも現実です。私は通常 学級にいる全てのこども達一人一人 の考え方や学び方の違いに応じた教育を実践できた時こそ、「みんなちがってみんないい」という一人一人を大切にする人 権 教育が実現できるのでは・・と考え、取り組んできました。こどもを中心にして、保護者や担任、コーデイネーターが連携 し、どのように学校現場・地域での取 り組みを進めていけばよいかを一緒に考えることができれば・・と思います。(発題者 より)
③ セクシュアリティを考える ~アイデンティティを語るということ-性のゆらぎを見つめて~
性 別二元制、異性愛を前提とした社会のあり方、さらにはトランスジェンダーをめぐって語られる世間の 固定観念に疑問 と異議を投げかけながら、ジェンダー・ セクシュアリティをめぐるアイデンティティの「境 界」の揺らぎやカミングアウトの問題 を主なテーマにお話しします。(発題者より)
④ 性差別を問う ~女性とエイズ~
人類がエイズと出会って四半世紀がすぎました。かねてより「HIVは私たちの弱みにつけこんで拡大しま す。性について 語りたがらない私たちの文化を滋養として成長するのです。人間社会が古くから抱えるさま ざまな弱みを利用し…私たち の精神的な弱点…をもてあそぶのです」と言われてきましたが、今日、「 AIDS has a Woman’s Face.」と言われる ほど、女性をめぐる状況は深刻化しています。女性が直面する問題 の多くにはジェンダーをめぐる社会構造的な問題、文 化的問題などがフクザツに絡み合っています。「エイ ズ」という題材を用いて、ジェンダー格差が与える影響について一緒 に考えてみませんか?(発題者より)
⑤部落差別問題に取り組む人権教育の創造 ~「部落」差別は今
「部落」問題は「地対財特法」の期限が切れ、運動団体や行政において、法律の施行により、地域の一定 の生活改善 がなされた、という認識になっています。 そして、各地域において、次の街づくりの案がそれぞ れ別個に具体化されてき ています。その転換点で問題が生じ、運動団体と行政との関係がマスコミを賑わ し ています。次に、運動団体各支部で は、近隣の町との地域間交流などに力を注ぎ、差別解消に向けて更なる 努力が続けられています。しかし、そのような 地 道な活動にもかかわらず、結婚や就職に関しての差別のあ り方が変化してきています。これらについて、今一度考えてみ たいと思います。
⑥在日コリアンを通じて人権を考える ~私らしい関係の築き方~
-今日あなたと出会った。関係を築きたいと思う人だった。大切な人だからこそ、語ることの姿勢を忘れ ずに生きてきた。 枠を固めすぎて身動きがとれない時もあったが…。-この分科会では、そんな私の生き 様に触れて頂きながら、参加者の 一人ひとりが『私らしい人との関わり方』に気づき、分かち合いの場とし ていきたいと思います。(発題者より)
⑦多文化共生 ~外国籍の子どもの親から見た学校の”多文化共生”~
今、 どの学校も「多文化共生」を掲げていますが、実際のところ、その内実はどうなのでしょう。むしろ学校は「単一文 化」に染め上げられていないでしょうか。学 校で、ひいては日本社会で「多文化共生」の道を進むというのは、具体的に何 が行われ、何が行われないことなのでしょうか。発題者は、自身も外国籍の子ども を育てつつ、在日の外国人の社会生 活を支援する活動に携わってきました。教職員だけの議論になりがちの「多文化共生」を、その受け手であり、担い手であ る 「外国籍」生徒やその親の立場からの視線を受けながら、いろいろな切り口で論じあってみたいと思います。
⑧私から始まるエンパワメント ~人権ワークショップ~
人権の学びは、差別問題の歴史的背景や現状の課題や認識を深めるだけでなく、学びや出会いの中で得 た気づき や、発見を大切にし、自分のあり方・生き方をふりかえる機会を創るねらいもあります。
本分科会では、問題解決のワークショップの学びを通じて、ありのままに自分らしく、そして共に生き る仲間といきいき と暮らせる関係や社会の構築にむけて、共に考えます。また一人ひとりのちがいであ る個性や、お互いの多様性を尊 重できる力を育むことをねらいにした、より良き出会いとつながりの”元 気の出る”分科会としたいと思いますので、多く の皆さんの参加をお待ちしています。(発題者より)
朝の祈り
重要文化財である同志社のチャペルにて、オルガン演奏を聴きます。しばらくのとき、心を静めて教会 音楽に浸りま しょう。
わかちあい 3日間を通じて学んだことを話し合います。
派遣礼拝 松浦悟郎さん(まつうら ごろう・カトリック大阪大司教区補佐司教)